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Tシャツがコミュニティと人を繋ぐ T-shirt is Media.

03 桑原健太郎 BEAMS T ディレクター KENTARO KUWABARA


このTシャツが、

コミュニティと僕を繋いでくれた

このTシャツは、ディレクションを担当しているビームスTから2013年にリリースした商品。パタゴニアへの別注です。僕、5年前に鎌倉に移住したんですけど、その当時から、パタゴニアとのコラボは狙っていました。その頃は日本の会社が鎌倉にあったんですけど、パタゴニアとの別注は本当に難しい。でも「ただのコラボじゃなくて街ぐるみで盛り上げるのならば」ということでOKが出たんです。それで、“レンバイ”(鎌倉市農協連即売所)のイラストを花井祐介君に描いてもらって、レンバイの並びにあるパタゴニアの店前でライブプリントをやったら、行列ができるほどの大反響で。嬉しかったですね。

実は鎌倉に移住したばかりの頃、コミュニティに馴染むのに苦労していたんです。そんな時、ターニングポイントになってくれたのが、このTシャツ。大きかったのは、店前にできた行列に、子供が通っている保育園のママさんが並んでいたこと。僕が関わっていることが広まって、話したことのなかった保育園のスタッフが、ガンガン話しかけてくれるようになったんですよ。Tシャツといっしょに作ったトートバッグがすぐになくなってしまい「どうにかして」みたいな(笑)。コミュニティの中で人と人を繋いでくれるのは、Tシャツが持っている役割のひとつ。

このTシャツ以降、ただ個人に向けて商品を作るのではなく、街や地域と一緒になったやれる企画をしたいと思うようになりました。特に、鎌倉と仕事がしたい。今、花井祐介君を通じて鎌倉・葉山・逗子のゴミ拾いビーチプロジェクトから連絡をもらったり、少しずつですけど、実現できてきてますね。

メッセージのあるTシャツが持つポテンシャル

僕、Tシャツを1000枚くらい持っていて、部屋ひとつ潰してるんです。そのくらいTシャツが大好きなんですけど、Tシャツってあまりにもジャンルがあるじゃないですか。見過ぎちゃった反動で、Tシャツと距離を置きたくなったこともありました。自分がTシャツで何がやりたいのかわからなくなっちゃってたんでしょうね。その時は、シャツばっかり着てました(笑)。



ビームスTは、“Art for Everyday”をコンセプトに、敷居の高いアートをTシャツにのせて幅広い層に届けるプロジェクト。Tシャツって、一枚も持ってない人はほとんどいないですよね。洋服の中でも、特に入りやすいアイテムなんですよ。しかも、Tシャツって変なメッセージが書いてあったりするじゃないですか。それ見たら、面白くなって、その人とコミュニケーションをとりたくなる。そこがTシャツの持っている重要な可能性だと思います。でも、ただ何かをプリントしただけの商品はリリースしたくないですね。アーティストやブランドとのコラボでもいいし、織りの加工にこだわるのでもいい。付加価値をいっぱいつけていきたいです。


桑原健太郎

BEAMS T ディレクター

1978年生まれ。北海道出身。2002年にBEAMSに入社し、「BEAMS SAPPORO」に勤務。その後、東京へ異動となり、販売スタッフとして活躍。2012年より<BEAMS T>のディレクターとなり、現在は、バイイングから様々な企画立案、さらに海外で日本人アーティストのキュレーション的サポートをするなど多岐に渡る。

(写真 八木伸司 / 文 小泉咲子)

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