PEOPLE 人と暮らし

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My White Life vol.32

My White Life WHITE LIFEを象徴する人々とTシャツの関係

ヨンス Suchmos ボーカル YONCE Suchmos Vocal

こだわることを楽しみ、思い描いていた理想の姿に近づく

Suchmosのヴォーカル、ヨンスさんのライヴでの姿と言えば……Tシャツの上に横に3本線が入ったadidasのトラックジャケット、そしてLevi’s®のデニム、足元はスニーカーと鉄板のスタイルがある。

普段の生活とほぼ変わらないそのスタイルでどの曲も歌い上げるヨンスさんの自然体な姿に、どこか安心感を抱き、彼らの音楽にどっぷりはまることができるファンも多いのではないだろうか。ヨンスさんをはじめ、バンドのメンバーが拠点とする茅ヶ崎という街で育ち、ローカルを大切に音楽活動をしてきたことから、彼らのサウンドやステージワークは行き過ぎることのない等身大の姿を映し出しているように感じる。

やりたくない音楽はやらない

結成から間もなく、バンドはこの1年で全国に知れわたり、新鋭バンドの中でも郡を抜いて高い人気を誇る存在となった。

「1年以上前は、まだ自分がミュージシャンと名乗れるような存在ではなかったと思うんです。でもずっと今の状況を目指してやってきたので、思い描いていた理想の姿に近づいてきた、という感覚はありますね。安堵感の中に、”忙しくて大変”というより、”こんなに忙しいんだ”って」

思いを馳せていたステージに立てることができたとき、「やってみるもんだな」と強く感じたそうだ。

「俺もそうだし、バンド全体がやりたくない音楽はやらない。周りのスタッフに恵まれていることもあって、自分たちが格好いいと思えるものをひたすら作り続けることができています」

その揺るぎないスタンスがあるが故に、他にはないSuchmosグルーヴが誕生したのであろう。

地元への想いは色褪せない

出身である神奈川県茅ヶ崎市を拠点に現在も活動を繰り広げているそうだが、売れっ子になったとしても、地元から心が離れることはないように見える。

それよりも、「一時期は横浜に住んでいたんですけど、最近また戻ったんですよ(笑)。まる1日休みがとれる日がなくなってきてしまっているんですが、時間が少しでもできたら家からチャリで海まで行って1人でゴロゴロしていたい。気分はビーサンにTシャツって感じで」と、地元は今でも心落ち着く場所であるらしい。そんな地元ラブなヨンスさんは、学生の頃から買い物もたいてい地元を回ることが多かったそうだ。

レコードを掘るようにヴィンテージTシャツを探す

「Tシャツに関しては、高校生の頃から古着屋に行って探していました。ボディを見るのが好きで、いろいろなブランドのものを買って着てみて、いいなと思ったボディがあったら、同じボディで他のプリントを探してみたり。そんなことをずっとしてきたんですけど、後にDJ KCEEやベースのHSUも同じようなことをやっていたことが分かって。2人とは服好きみたいなところで仲良くなったこともあったんですけど、Tシャツのデザインよりも素材や形に対するこだわりが強いんです」


ちなみにヨンスさんが好きなボディは、厚手の” Hanes BEEFY-T”。

「以前、藤沢の古着屋で白いボディを真っ黒に染めたポケットTシャツがあって、気に入って買ったんですけど、着心地がいいからちゃんと着たいなと思って真っ黒に染まったタグを良くみたらHanesの”BEEFY-T”だったんです。アウターというか、1枚で着れるタフで強いTシャツを探していたときに現れた感じです。首元がつまっている感じも気に入っています」。元々Hanesに関してはパックTを購入していたことから、今でも年に何度かは定期的に購入。白Tシャツに関しては、プライベートでも、ライヴでも着用するほど必需品になってしまったそうだ。

ところでTシャツの王道と言える白いTシャツに関して、ヨンスさんはどんなこわだりがあるのだろうか?

「白Tは新品が良いですね。でも着ているうちに形が崩れてきて、ひとつも同じものがなくなっていく。そんな変化を見るのも好きなんです。だから新品で買って、どんどん自分で着倒していく。ライヴでは衣装で白のポケットTシャツを着ることが多いんですけど、パックで買ってとっかえひっかえ着ています。そして時期が来たらまた新しいものを買う。ライヴで一度着ただけで、捨てるなんてトンでもないですね」

音楽は叔父、靴はオカン。ニュートラルに自分らしく

音楽へのこだわりがあるように、ファッションに関しても自分なりのこだわりがある。

「親戚に、人生に音楽をかけてバーをやっているような音楽オタクの叔父さんがいるんですけど、音楽に関しては、その叔父さんの影響が大きいんです。バンドをやりたいと思ったとき、初めて話ししたのもその叔父さんで、そのときにアコースティックギターとニルヴァーナのレコードをくれたんです。ファションに関しては、革靴を含め、靴が大好きなんですけど、これは完全におかん(母)の影響ですね。おかんがとにかく大の靴好きで、それを見て育ったんです。中学の頃にどうしても欲しくてお年玉を握りしめて買いにいったのもスニーカーでした(笑)」

今年は、1月25日に待望の2ndアルバム『THE KIDS』のリリースを控えているSuchmos。確実に更なる次のステージへいくこと間違いないと思うが、さてその内容はどんなものなのか気になるところだ。

「メンバーそれぞれが、凄い早いスパンで好きな音楽の種類が変わるんですよ。去年出したアルバムの音楽性を期待して、新しい僕たちの音を聴くと驚く人たちもいるかもしれないけど、でもそこは自分たちにウソを付かないで、ノビノビと制作しました」

ヨンスさんが最近気になっているサウンドはカントリーだそうで、「バンジョーとか、マンドリンとか。テンポが早い! みたいな(笑)。だから白人がメタルに辿り着いたのか……とか考察することが、とにかく楽しいですね」とのこと。

創る音楽も、ライヴパフォーマンスも、そして着る服も。自分がいいなと感じることを、五感で感じ、こだわりを持って接していく。時代に選ばれたバンドSuchmosのヴォーカルは、深い部分に入りながら、ニュートラルなスタイルで活動を続けている。

Suchmos

『THE KIDS』

(SPACE SHOWER MUSIC)

1月25日発売

YONCE(ヨンス)

1991年生まれ。神奈川県茅ケ崎市出身。17歳のときに湘南を拠点にロックバンドバンドOLD JOEのヴォーカルとして音楽活動を開始。2013年にバンドSuchmosでの活動をスタート。2015年1stアルバム『THE BAY』をリリース。同年より活動をSuchmos1本に絞り専念。またApple Music Best of 2015のベストニューアーティストに選出され、翌年2016年にはシングル「STAY TUNE」が、J-WAVE TOKIO HOT100にて1位を獲得。さらには2nd E.P.「LOVE&VICE」がiTunes総合アルバムチャートで1位を獲得し、数々のロックフェスティバルに出演。ラジオJ-WAVEでレギュラー番組を持ち、個人ではFM802にて番組「MUSIC FREAKS」のDJを担当。

http://www.suchmos.com

(写真 松本昇大 / 文 吉岡加奈)

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