看板メニューをTシャツにします #10

自家製調味料と本場の香辛料で実現する“麻辣” 四川料理 龍の子

名店料理2019.8.6 Tue.

名店の看板メニューでプリントTシャツを制作する連載企画第10回。東京・原宿の竹下通りからほど近く、1977(昭和52)年創業の本格派四川料理店 龍の子で麻婆豆腐を注文した。

日本における四川料理の第一人者、陳健民に師事し、「香港飯店」などの料理長を歴任した安川哲二が開店した四川料理 龍の子。30年以上にわたって多くのファンを集め、今や親子3代で訪れる馴染み客もいるほどに原宿の街に定着している。本格的な正宗四川料理をベースとしながら、夏にはオリジナルの冷麺を限定で展開したり、秋から年末にかけては上海蟹を使った料理を提供するなど、独創的なメニュー展開を行う。

坦々麺や口水鶏など必ず注文したくなる人気メニューはいくつかあるが、龍の子ではぜひ麻婆豆腐(1800円)を推したい。安川の薫陶を受け、現在厨房に立つ山中剛に中華鍋を振るってもらった。豚100%の挽肉と甜麺醤と唐辛子を炒め、香りが立ってきたところで、ギュッと詰まった木綿豆腐を加えて炒め合わせる。厨房に立ち上る香りは胃袋を直に刺激する。山中はこう話す。

「辛さ(辣)、痺れ(麻)、塩気などのバランスを大事にしています。どれかが勝つことなく、それぞれが引き立てあって味わえるように。そのコクを出すためにまず、挽肉をじっくりと甜麺醤で炒めるプロセスは重要です。市販の調味料だとどうしてもコクが出ないので、甜麺醤や豆板醤などはすべて自家製ですし、スープも複数の種類を4〜5時間かけて店で仕上げています」

皿に盛る直前、最後の仕上げに火をさらに強める。鍋全体を炎で包むような勢いで数秒間、このプロセスによって香ばしさを一段階上のレベルに高めるのだという。テーブルに運ばれてきた麻婆豆腐。レンゲを沈めると、唐辛子の刺激的な香りに豚挽肉の甘さが混ざった風味が立ち上る。そして食べ応えのある豆腐を噛むと、麻と辣と旨味が豆腐の食感と合わせて一体化する。汗をかきながら辛いものを頬張るのは、夏の至福の楽しみの一つだ。

四川料理 龍の子

東京都渋谷区神宮前1-8-5 メナー神宮前B1F
TEL:03-3402-9419
営業時間:ランチ11:30〜15:00(LO 14:30)、ディナー17:30〜21:30(LO 20:45)
定休日:日曜日・木曜日(都合により変更あり)、長期休暇(年末年始・GW・夏休み)

http://ryunoko.tokyo/

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