FUJI ROCK FESTIVAL 2019

“備えあれば福来たる” 23年目のフジロックをよむ。

Music2019.6.25 Tue.

梅雨も本格化しはじめた今日この頃。この雨がやむあたりになると、今年も熱い夏がやってくる。野外で音楽を楽しむこと、これを最大化するためには予備知識と準備が欠かせない。「現地でなんとかするから」は絶対避けるべき。“備えあれば福来たる”。それが苗場(野外フェス)の鉄則。

ザ・ケミカル・ブラザーズ、シーア、ザ・キュアー。ヘッドライナーを並べるだけで今年のフジロックも多様性豊かなラインナップであることが見てとれる。昨年は、ヒップホップ色が前面に出され“変化を止めないフジロック”の姿勢がはっきりと示されたが、今年はもう少し正面突破的にロックの匂いが漂っている。

ザ・ケミカル・ブラザーズ

初日、グリーンステージのトリを飾るザ・ケミカル・ブラザーズは、フジロックが生まれた1990年代に活動をはじめ、デジタル時代へ突入する世相を象徴するバンドのひとつ。そして、今なお実験的試行は続けられ最先端を走りつづけている。土曜日トリのシーアは、00年代のアイコンだ。2014年に発表された「シャンデリア」のミュージッククリップは、マディー・ジーグラーの魅惑的なダンスの力も相まって世界中を駆け巡った。初来日ということもあり今年のハイライト・モメントになる可能性も高い。

SIA公式 https://www.youtube.com/watch?v=2vjPBrBU-TM

そして、3日目(7月28日)は、2007年に23年ぶりに来日して圧倒的なパフォーマンスをみせたザ・キュアーが大トリとなる。80年代、世界を熱狂させたこのバンドは、90年代、00年代のアイコン的なアーティストがトリを飾った後、すべてを飲み込む包容力がある。今年も往年のロックファンの心を揺さぶってくれることは間違いない。

注目すべきはその前後にもある。ザ・キュアーの前に控えるのはジェイソン・ムラーズ。苗場の自然と夕日に包まれながら響くジェイソン・ムラーズの歌声は、埋め尽くされたグリーンステージを瞬く間に一体化してしまうだろう。そして、グリーンステージ終了後もパフォーマンスがつづくレッドマーキーには石野卓球が登場する。一体化という意味ではこちらもかなりの強度になりそうだ。

ザ・キュアー

ジェイソン・ムラーズ

フジロックのなかでも最もメジャーな部分をつまんだだけでこれだけのバリエーション。1997年にはじまって以来、訪れるオーディエンスも驚くほど多様化してきた。「若者の象徴がロック」だった時代はとっくに過ぎ去り、老若男女誰が来ても気持ちのいい音楽のプレイグラウンドがそこにある。ジャンルも、世代も、思考性も一切縛りのない自由こそ、夏の苗場の最大の醍醐味なのかもしれない。

石野卓球

FUJI ROCK FESTIVAL’19
2019年7月26(金)27(土)28(日)
新潟県湯沢町苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com

“備えあれば福来たる” 自由を満喫するための予備知識!

●Tシャツ
なんといっても絶対に欠かせないTシャツ。天気がいい日は、朝日がのぼると同時に暑さを感じはじめることもあるほど。特に午前中からいろいろなステージを歩き回る人は、バッグに予備のTシャツを入れておくなりして、新たなTシャツに着替えると気分一新。なぜか体力もリカバリーされたように感じられ、夕方からも全開で楽しめる。また、それなりに着古したTシャツを一着持っていくといざというときに雑巾にしたり、ケガのときに止血できたり万能。

(左)FRF’19ロゴTシャツ (右)FRF’19×GAN-BAN BIG TEE

●ソックス
Tシャツ同様、予備で用意しておくといいのがソックス。大雨で靴の中までびしょ濡れなら、あきらめた方がいいかもしれないが、晴れた日は夕方頃に一度ソックスを履き替えると足の疲れが引く感覚になれる。

FRF’19 SOCKS

●ウエストポーチ
肩からかけるバッグはライブを見ているときに気になるし(ジャンプしたり踊ったりするし)、リュックはいちいち下ろすのが面倒。そんなときに役に立つのがウエストポーチ。ペットボトルやコインケース、電子マネー、ウエットティッシュを入れておけば自由に動き回れる優れもの。普段はあまり使わなくても「あって良かった!」と思えるはずです。

(左)FRF’19 ウエストポーチ (右)FRF’19メッシュポーチ

●キャップ
雲がないときは、とにかく日差しが辛い! ビールも水もうまいけど日差しが辛い! そんな時間帯が必ずやってきます。そんなときのために、月並みだけれどキャップ(帽子)を用意しておきましょう。汗が気になってくるので手ぬぐいとセットで持ち歩くのがおすすめ。

FRF’19キャップ

●防水シューズ
雨が入ってこない完全防水シューズを選ぶのは最低限で、そのなかでもできるだけ軽いものを選んでおくのが理想。10時間以上歩いたり踊ったりするので、足への負担を少しでも減らすのが楽しむことの第一歩。今年はフジロックとアウドドア・フットウエアブランドKEENがコラボレーションして野外フェスに最適なシューズを開発。また、これまではケガを避けるため推奨されなかったサンダルもつま先を守ることによって安心して着用できるように。暑い日はサンダル、雨の日は防水シューズという使い分けがおすすめ。

TARGHEE EXP MID “SP” WP

NEWPORT H2

●ポンチョ
レインコートもさることながら、ポンチョがあるとより便利。雨も大ぶりでなければポンチョでことなきを得ることがほとんどであることと、リュックの場合でもカバーできる。また、大雨になった場合にレインコートの上から羽織ることで、レインコートのなかが濡れてしまうような事態をさけられます。レインコートの中が濡れていないのがいかに気持ちいいことか…、現地で体感してみよう。ちょっとした優越感です。

▼GREENonRED
https://www.greenonred.jp

FUJI ROCK FESTIVAL’19
2019年7月26(金)27(土)28(日)
新潟県湯沢町苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com

文:今村亮

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