音楽とTシャツ

vol.10 小出祐介(Base Ball Bear/マテリアルクラブ)#2

Music2018.12.21 Fri.

音楽というか、ミュージシャンとTシャツは切っても切れない関係性にある。ライブをするときの衣装として。オーディエンスと共鳴するための強力なツールとして。そして自らを表現するためのカンバスとして。これからの日本の音楽シーンをリードしていくバンドマン、ボーカリストなど期待のミュージシャンに「譲れない一枚」を着てきてもらい自らの言葉で紹介! 前回に続き、Base Ball Bearのリーダーとしてボーカルとギターを担当し、音楽プロジェクト・マテリアルクラブを主宰する小出祐介第2弾。

これは映画『20世紀ノスタルジア』の公開20周年を記念して製作されたTシャツで、ナタリーストアで購入しました。僕はこの映画に特別な思い入れがありまして。というのも、この映画の公開当時、僕は中学1年だったんですけど、主演を務めた広末涼子さんの大ファンだったんです。当時の広末さんの人気はすさまじく、学校中の男子が定期入れや生徒手帳に広末さんの写真を入れてると言っても過言ではないほどの大フィーバーぶりでした。

そんな中、広末涼子の初主演映画作品が公開されると。これは絶対に観に行かなきゃということで、1人で電車に乗って初めて新宿の映画館に行ったんです。当時は新聞で映画の上映時間を調べたのも懐かしいですね。僕の地元の映画館と違い、新宿の映画館は一席の幅も広く、鑑賞しやすいように若干リクライニングになっていて。都会の映画館はこんなに鑑賞しやすいようにレイアウトされてるんだと思い感激しました。

で、実際に観た『20世紀ノスタルジア』なんですけど、ま、カルト映画ですよね(笑)。映像はきれいだし、一番フレッシュな広末さんが記録されているという点では──つまり、アイドル映画としては見応えがあったんですけど、話はよくわからなかったです(笑)。あらためてこのTシャツにプリントされている映画の宣材写真を見ると、主演2人のファッションが実に90年代然としていて、90年代リバイバルもあいまって、今っぽいんですよね。そのあたりも感慨深いです。

小出祐介(Base Ball Bear/マテリアルクラブ)

1984年、東京都出身。2001年、高校の先輩と後輩が集まったメンバーでロックバンド、Base Ball Bearを結成。小出は楽曲のソングライティングとボーカル&ギターを担当。2006年にメジャーデビュー。2018年、“新音楽プロジェクト”マテリアルクラブを始動。盟友・福岡晃子(チャットモンチー済)を制作パートナーに迎え、11月に1stアルバム『マテリアルクラブ』をリリースした。
http://www.baseballbear.com/
https://www.jvcmusic.co.jp/q2/materialclub/

photo & text : Shoichi Miyake

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